立体の体積の求積、特に球の体積は、ほんとうは「初等幾何」のところで最初の頃に取り上げたかったのですが、積分を使わずに書くにはどうしたらいいかあれこれやってみて、やはり積分がないと納得のいく形では説明できないのだ、と分かり、数列だの微分だのをやってとうとうこんな後の方まで引っ張ってきてしまった次第です。念願かなって、ようやくここでその体積の話ということになります。
体積の計算で、円錐や球の体積の公式を習ったときに誰でも気になるのは、式に出てくる「1/3」という係数はいったいなんなのか、ということです。
たとえば円錐の体積は、底面が同じ円柱の体積のちょうど 1/3 になっています。なぜ 1/2 や 1/4 じゃなくて 1/3 なのでしょうか?
この「3」は、対象が立体で、文字通り「3次元(3-Dimension)」だからでしょうか?でも、それでは「2次元」ならどうかと思って、そちらを見直すと、必ずしも足並みが揃っているわけではありません。
このあたりを取っかかりに、もう一度「面積」についての知識から踏み固めながら、積分と体積の関係について話を進めていきます。