【積分】区分求積法を学ぶ

ここからは、先までの面積の求積の話を足場に、積分と数列の和、級数の関係について、もう少し詳しく探っていきます。

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最初に予告したとおり、積分の面積計算の原理を使用する際に使用した小判の積み立ての話にもう一度戻りましょう。

区分求積法を学ぶ
( Δx=1 )


このとき、小判を貯める方式を少し複雑にすると、積分した原始関数と実際の枚数にかなりのずれが出てきますが、これは日に1回という形で、変化の刻み目が粗いからだ、という話をしました。これを実際に細かく刻んでいくとどうなるかを検証します。

上の最初の例では、1日めは2枚、2日めは4枚と、「日数×2」(y=2x)で日に1回もらう大雑把な形でしたが、これを1日に2回もらうことにして、計算し直すと以下のようになります。

区分求積法を学ぶ
( Δx=0.5 )


もらうタイミングは1/2の「0.5日」にしましたが、「x日」にもらう枚数が同じ 「2x」枚になるよう、0.5日では「0.5×2=1」枚、1日では「1.0×2=2」枚、1.5日では「1.5×2=3」枚といった具合で、決め事はそのまま維持します(1日め、2日め、3日めなどの枚数が、それぞれ最初のケースと同じであることを確認してください)。こうすることで、最初の例よりも、積分された原始関数との差が小さくなっていることが、計算値からも、グラフからも、確認できます。

共通のルールでもらっているはずなのに、はじめの例より累計量が少しづつ減っているのは、タイミングを増やしたことで、増え方で角の粗いところが取れて、その分滑らかに増えているからです。

区分求積法を学ぶ

これを式で書くと、小判の積み立てを示す数列の和(級数)が、その区間と対応する原始関数に近似するということで、級数を表すシグマ記法と前回の定積分を使って、

区分求積法を学ぶ

となります(シグマ記号のカウンター変数の具体的な調整の仕方は、追って研究します)。同じ原理でさらに刻み目を細かくしていくと、

区分求積法を学ぶ
( Δx=0.2 )


のように、原始関数の2次関数の動きにますます近づいていって、ほとんど見分けがつかなくなっていきます。このケースでは、この値は変化量のグラフが作る三角形の面積(上の棒グラフが作る黄色の部分)に対応していて、もともとそれを求めるのが目的だったわけですが、棒グラフの短冊の切れ目を細かくすることで、見た目も三角形にどんどん近づいていくのが分かります。

このように、数列の和・級数を使って、関数の連続する滑らかな変化の累積変化量(グラフの作る面積)を、近似値から求める方法を、「区分求積法」といいます。 積分の誕生以前に、曲線で囲まれた面積を求めるために、長く使われてきた手法というのがこれで、積分の元になった、積分の原型といえるやり方です。

はじめにも述べたように、この区分求積法は、実際に計算を取り回すとたいへん難しいのですが、これを仕入れることで、(今まで微分の逆演算ということで中身はブラックボックスだった)積分の本質的な意味と、積分を使うことでいかに作業が簡単になるか、という技術上の利点がより深く理解できるようになります。ですので、次回からなんとか頑張って、この区分求積法を勉強していくことにします。

また、上の例からは、数列の単純な足し算と掛け算の計算の組み合わせだけで、まったく別の、二次関数の放物線が作る滑らかな曲線の動き(計算値)をほぼ完全に再現できるということも読みとることもできます。この点も、数列と級数の奥深さを示す、たいへん興味深い性質です。




posted by oto-suu 17/09/26 | 積分 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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