【積分】定積分と積分定数

ここでは、前回導入した定積分における積分定数の扱いについて確認します。

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積分定数

原始関数そのものを求める不定積分において、定数項の中身は見えないため、確定しないまま仮置きしておく、というのが積分定数でした。定積分では、この積分定数はどうなるのでしょうか。定義の式に加えて書いてみると、

定積分と積分定数

となり、積分定数は消えてしまいます。積分定数は、中身の分からない定数ですが、定積分は、同じ関数の中での区間の差なので、中身は確定しなくても、同じ値であることだけは分かっています。そのため、相殺されて消えてしまうのです。図で書くとすれば、

定積分と積分定数

積分定数は、上のように原始関数を上下にスライドさせる「ゲタ」を履かせた部分になりますが、定積分は、「同じ原始関数の中での相対的な差」ですので、積分定数によるスライドの影響とは無関係、ということになります。



定積分の和

ついでに、定積分の和がどうなるのかも、あわせて確認しておきます。不定積分=原始関数の和の公式をを組み合わせると、

定積分の和

となり、上端・下端の区間が揃えてあれば、和の公式はそのまま定積分でも使用できることになります。これをグラフ上の図形の面積としてみれば、先に確認したカヴァリエリの原理は、ふたつの関数の積分の和・差と、はじめからそれを混ぜて作ったひとつの関数では、部分部分の変化量がすべて同じなので、全体の累積変化量も同じになる、という話でしたが、

定積分の和とカヴァリエリの原理

これは特定の一部を切り出した部分についても、等しく当てはまることですので、これが定積分の和・差に相当します。


posted by oto-suu 17/08/22 | 積分 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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