それは、上図のように、同じ関数の中で、始点と終点を決めて、その間の差分の積分・累計変化量を考えるというものです。
同じ関数の中で差の機能を使って範囲を扱う、この形の積分は、計算の中で頻用されるので、
のように書き、これを「定積分」(definite integral)と呼びます。定積分は積分記号・インテグラルを使った記法も決まっています。
積分を扱った数式の記述の中でも、頻繁に目にする形式ですね。この始点aを(記述上、下側にあるので)「下端」、終点bを(同じく上にあるので)「上端」と呼び、「aからbまで積分する」という言い方をします。数学嫌いの人は、インテグラル記号のニョロニュロだけでも既にじゅうぶん気味が悪いのに、この下端・上端の指定まで付加されていることで、「これはなんだろう」とますます引いてしまいますが、中身は同じ関数の中で差を取っている、というだけですので、そんなに怖がらなくても大丈夫です。
不定積分
この定積分に対し、これまで扱ってきたような、範囲を定めずに原始関数そのものを求める積分を、「不定積分」(indefinite integral)といいます。ただ単に関数を「積分する」と言って、原始関数を求めるときに行ったのが、この不定積分です。記述上は、下端と上端の指定がなく、インテグラル記号だけが書かれているところが、見ばえの違いになります。定積分を計算してみよう
では、この定積分を実際に計算してみましょう。先に用いた関数を使って、上の塗られた範囲の累積変化量=面積を計算してみます。
こんな具合に、まず原始関数を求め、上端・下端の値をそれぞれ計算し、同じ関数の中で差をとってやります。
これまでは、x=0 を始点として、そこからある値までの面積を求めてきましたが、この定積分を使うことで、ある関数の中で特定の区間を自由に切り取って、その累積変化量=面積を出せるようになります。
また、もともと「0 からある値までの面積」を求めていたときにも、正確には原点0を下端とする、その区間の定積分を求めていたことになります。
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