微分の和の公式は、このように、導関数同士を足し合わせることができる、便利な式でした。
今、導関数=被積分導関数 f(x) と原始関数 F(x) を、
とします。原始関数同士を足したものを微分すると、上の和の公式から、
となります。これは、左辺が右辺の積分の関係ということですから、
また、はじめの定義から、
よって、両方をつなげると、
となります。これは、微分と同様に、積分についても、項を足したりバラしたりできるということです。差についてもまったく同じで、また、和を繰り返せば掛け算になるので、係数を掛けることもできる点も微分のときと同じです。
積分定数まで入れて書くとどうなるでしょうか? 積分定数は、もともと中身のみえない定数ですから、次のようにひとつにまとめてしまうことができます。
この和の公式を使えることは、微分のときと同様に、複数の項でできた関数の式を簡単に積分できるので、非常に強力です。
このように、項ごとに積分して、足し合わせて元に戻してやればよいわけです。また、面積の計算という点でも、とんでもなくパワーアップします。上の式をグラフに書いてみましょう。
和に拡張することによって、こんなユンユンとうねった図形の面積も、なんら面倒な下ごしらえなく、自在に出せるようになるのです。