いちばん簡単な例から見ていきます。次の式をごらんください。
左右の式は原始関数と導関数(被積分関数)の関係にあり、左の式を微分すると右、右の式を積分すると左になります。
では、これをグラフに書き込んでみましょう。
「面積」という点に着目すると、導関数がX軸とY軸の間に間に作る面積が、なぜか、原始関数の値とちょうど一致しているのが分かります。「x=4」のときは、導関数が作る長方形の面積も「4」で原始関数の値も「4」、「x=6」「x=8」のときも、同様です。
これは、たまたまでしょうか?もう一つ例をみてみましょう。今度は次数をひとつあげてみます。
すると、やはり、導関数の作る面積は、原始関数の値とぴったり対応しています。導関数が作る面積は、今度は三角形で「縦×横×1/2」になりますが、「x=4」「x=6」などを計算すると、いずれも原始関数の値と同じです。
実は、導関数と原始関数の間には、常にこの関係が成り立ちます。面積を求める、という積分の代表的な用途は、原始関数のこの面白い性質を利用したものです。
では、なぜこの性質が成り立つのか、次でそれを考えていきます。