ここまで来れば、もうあとはしめたものです。先の整理から、サインの三角関数の微分は、上のようになるのでした。このうち、前半はコサインで、後半部は、前回の内容から「1」に収束します。従って、全体の姿は、
となります。つまり、サインの三角関数は、微分するとコサインの三角関数になるのです。ネイピア数を底とする指数関数では、微分すると元と同じ関数になるのでしたが、こちらの三角関数についても、たいへん面白い結果です。
先に、導関数の増減から、元の関数の姿を推測する、という演習をやったときに、周期性をもった三角関数のサインカーブは、きっと導関数も同じように周期性があるに違いない、という推測を立てましたが、実際に求めた導関数でも、それがみごとに確認できたことになります。
このことの意味することころを、もっと突っ込んで考えてみたくなりますが、その前に、それではコサインの三角関数を微分するとどうなるのか、そちらも検証しておきましょう。