
といっても、この二つの場合も、微分の定義式に元の関数をはめ込んで、導関数がどうなるのかを調べる、というだけですが、この二つはそれぞれ通常の計算とは異なる独特の流儀があって、専用の計算公式も持っているのでした。そのため、微分の計算も、これまでよりさらに気を使うものになりますが、この二つについては、そこを乗り越えると、苦労を補って余りある貴重な実入りがあり、そこから先の展開も大きく開けています。ですので、ちょっとたいへんではありますが、なんとか頑張って、難しい部分も楽しんでしまいながら、ここを切り抜けていきましょう。
まずは指数関数・対数関数からです。三角関数については、あとで微分に使うからということで、事前に「和積・積和公式」を準備しておきました。指数・対数関数についても、前もって固めておいた方がいい関連の予備知識が少々あり、先にそれを取り上げます。
そのひとつめは、「無理数の指数」という、ワクワクするような考え方です。