【初等代数】分数の割り算で「逆数」を掛ける理由

分数の割り算を検証した前回の内容(「分数の割り算はなぜ分子分母をひっくり返すのか」)を、少し違う視点から書いてみます(内容は同じです)。

この節を最初から読む
この節の目次にもどる

もともと「分数」とは、

分数の割り算で「逆数」を掛ける理由

のように、ひとつの項、数字の形にまとめた、割り算の計算そのものです。

一方、この割り算は、

分数の割り算で「逆数」を掛ける理由

のように、割る数(除数=分母)に対する割られる数(被除数=分子)の「比」を出す計算でもあります。 分数は、上のように凝縮された割り算なので、これは分数の機能でもあります。

ところで、先の 「分数の掛け算」の計算法から、

分数の割り算で「逆数」を掛ける理由

のように、分母と分子を上下ひっくり返した分数を、元の分数に掛けると必ず「1」になります。 これが「逆数」です。

元の数と掛け合わせると 1 になるわけですから、この逆数は、単位数 1 を被除数としたときの、 被除数と除数の「比」、言い換えれば、割り算の答えそのものといえます。すなわち、

分数の割り算で「逆数」を掛ける理由

このように、逆数は(単位数に対する)「比」そのもの、「比」のかたまりです。言い換えれば、 あらかじめ作っておいた、割り算の答えのエッセンスそのものです。

従ってある数をある数で割るとき、その「比そのもの」を先に作っておいて、割られる数に対して それをふり掛けて水増ししてやれば、それは単位数に対する除数の比を倍加したものなので、 そのまま、割る数に対する比の答えになります。つまり、

分数の割り算で「逆数」を掛ける理由

あるいは、上の逆数の式で両辺に同じ数を掛けて、

分数の割り算で「逆数」を掛ける理由

分数の割り算で「逆数」を掛ける理由

左側の数は整数でも分数でも、なんでもかまいません。

これが、分数の割り算で割る数をひっくり返して掛ける理由、となります。

「ひっくり返して掛ける」とは、被除数に逆数を掛けているわけですが、これは、逆数そのものが、 単位数 1 に対する割り算の答え、比そのものだからです。


posted by oto-suu 10/08/24 | TrackBack(0) | 初等代数 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
<< 前のページ | TOP | 次のページ >>

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。