掛け算といっても、先に和の計算のところでみた、足し算の繰り返しとしての掛け算で、導関数に係数を掛けるものではなく、二つの関数同士を掛け合わせる、という意味です。
和のときのように、導関数同士も単純に掛け合わせることができればいいのですが、微分の基本型の計算の型から、残念ながらそうはなりません。よって計算はちょっと面倒になりますので、丁寧にみていきましょう。では、さっそく上の式を基本フォーマットに入れてみます。
そのうえで、ここから先にどう進むかですが、目標にするのは、この式の中に、どうにかして、f(x)とg(x)の微分の定義式の「型」を作り出す、ということです。これは、以降で扱うさまざまな応用パターンにおいても同じで、微分の計算公式をとり回すときの、基本の考え方になります。そこでまず、この式の極限の中の、分子の部分だけを取り出すと、
こんなふうに、まず f(x) について、この型を無理やり作ってしまい、追って差分を補ってやります(A)。この考え方は、二次方程式の解の公式を作るときに使った、「平方完成」のものと同じです。
そうすると、この差分と、残った g(x) の項を括ってやることで、g(x) についても、ちょうどうまいこと同じ基本形ができることが分かります(B)。そこで、これを元の式に戻してやって、
あとは式を整理すれば、できあがりです(g(x+h) の部分は、とりあえず g(x) に収束するとみなしてよいでしょう)。これが導関数の積の公式になります。
元の関数ではなかった和の成分が突然出てきて驚かされますが、これは基本型の中にあったものが表に出てきたものです。
例題を使って実際の計算をしてみましょう。以下の式の左辺と右辺を、和の公式と積の公式を使って、それぞれ微分してみます。
同じになってますね。また、上の元公式で、f(x)=g(x) とすると、積の公式は、
のように変形できます。これにサンプルの関数を入れてみると、
となって、羃乗関数の微分の公式の結果と、これもちゃんと一致しています。
同じ流れで、今度は「商」、割り算の公式についてみていきます。




















