【微分】第二次導関数と関数の凹凸・変曲点

前回までは元関数と導関数の関係についてみてきましたが、今度は導関数の導関数、すなわち、微分をさらに微分した第二次導関数からは、どんな情報が読みとれるかを検証しましょう。

この節を最初から読む
この節の目次にもどる

第一次導関数のときと同じようにやっていきます。今、下記のグラフが元の関数を二階微分した「第二次導関数」だとします。このとき、この情報から二段手前の元の関数がどんな姿格好であるかは、どの程度推定できるでしょうか?


速度と加速度で行った分析をもう一度思い出してください。元関数を微分した導関数は、さらに自分も微分することができるのでした。導関数は元関数の変化の様子を表した関数ですから、その導関数をさらに微分した第二次導関数は(第一次)導関数の変化の様子を示したもの、ということになります。

導関数の値は、具体的には元の関数の接線の傾きの値ですので、上のグラフが第二次導関数だとすれば、一歩手前の微分前の関数(第一次導関数)の傾きは一貫して「負」の値、つまり、右肩下がりということになります。そこから先は第一次導関数の分析のときと同じで、これの大元の関数は、上向きに被せたお碗型の二次関数のグラフになりますね。


一方で、分からないこともあります。導関数からは、元の関数の定数項は復元できませんので、微分前のグラフが上下でどの位置にあるかまでは分かりません。つまり、第二次導関数からは、第一次導関数(の傾き)が増えているか、減っているかだけは分かるが、プラスかマイナスかは分からないのです。

もうひとつやってみましょう。今度は、以下が第二次導関数だとします。大元の関数はどこまで推定可能でしょうか?


第二次導関数はこのように一次関数の直線グラフですので、微分前の第一次導関数は、ひとつ次数が上がって二次関数、さらにその前の大元の関数は、三次関数になります。一方、上と同じように、第一次導関数の二次関数のお碗がどこでマイナス値に突っ込んでいるかは見えませんので、これは大元の三次関数について、傾きがプラス・マイナスで反転しているかどうかは分からない、すなわち「極値」が存在するかは分からない、ということになります。


第二次導関数はどちらも同じ


以上をまとめると、第二次導関数からは、大元の関数の傾きが増えているか減っているかは分かるが、(どこで正負が反転しているか分からないので)極値が存在するかまでは分からない、ということになります。


上の図で、それぞれ右と左は、極値がある場合、ない場合ですが、どちらもともにグラフの傾きが一貫して増える、減るという点では同じになっています。大元の関数の形状が、このどちらになるかまでは、第二次導関数からは、読めないのです。こうなる理由は、微分することで、定数項の情報が導関数からは落ちてしまうからです。

この、第二次導関数の増減の状態を、微分の用語で「上に凸(とつ)」「下に凸」といいます(上記の話から、極値があるかどうかまでは問いませんので、日常の用語のニュアンスとは少しずれているところに注意しましょう)。凸の反対は「凹(おう)」ですので、「下に凸」はその名で呼ぶこともあります。

第二次導関数に表現されているこの「関数の凹凸」は、大元の関数の、大まかな形状の傾向を示したものといえます。この形状には、最初の例のように、全体がどちらかに偏っているケースもあれば、二番目の三次関数のように、凹と凸がひとつの関数の中で組み合わさって、途中で切り替わっているケースもあります。凹と凸が途中で切り替わるとき、その転換点を「変曲点」(inflection point)と呼びます。


この「変曲点」という語は、元はこのように数学の微分の用語ですが、そこから転じて、主に金融の世界で、景気や相場の基本的な流れが切り替わった時点、という意味で、比喩的にも用いられています。微分の初学者は、そこから逆に、第二次導関数の性質をイメージすると理解しやすいかもしれません。




posted by oto-suu 14/03/23 | TrackBack(0) | 微分 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
<< 前のページ | TOP | 次のページ >>

この記事へのトラックバック