【微分】定数項の微分

さて、ここからは、また話を微分の計算に戻して、少しレベルアップした計算をやりながら、微分についての知識を深めていきます。まず、先に扱った単項式(ひとつの項の式)の微分を再度取り上げ、これをさらに掘り下げます。

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n次関数の微分

先にみたときは、乗数の n は、正の整数自然数と仮定しましたが、この指数の範囲をもう少し広げてみましょう。正の整数以外の場合でも、この公式は成り立つでしょうか?


指数がゼロ:定数項の場合

まず、乗数がゼロの場合を考えます。対数のところで学んだように、指数がゼロのときは、計算値は「1」ですから、元の関数は、ただの定数項ということになります。指数をゼロに置いて、そのまま微分の基本式に放り込んでみて、どうなるか確認します。

定数項の微分

上のように、リミットの計算が可能で、結果は固定で「0」となります。単純な結果ですが、このことから、以下のいくつかの重要な指摘が取り出せます。

まずひとつは、こうして乗数がゼロの場合でも、最初の単項式の微分の公式は、ちゃんと成り立っていることです。「n=0」ですから、公式に値を入れても同じになります。つまり、この公式は、指数がゼロの場合にも拡張できます。

次に、定数「1」の定数項で、微分した結果がゼロですから、導関数の掛け算の公式と組み合わせると、1以外のどんな定数でも結果はゼロです。すなわち、定数を c として、一般化して書けば、

定数項の微分

となります。これは上の羃(べき)乗関数を拡張した変形です。また、これを導関数の和の公式と組み合わせれば、多項式の定数の項は、微分するとゼロになってどんどん消えていく、ということもいえます。先に扱った多項式の関数に、今度は定数項を加えて、ためしに微分してみましょう。

多項式の微分

こんな具合です。はじめに落下運動の例を使って高階微分のイメージをつかんだときに、微分を繰り返して定数項になったら、そこで微分は終わりだよ、と述べましたが、厳密にいえば、そこから先はいくらやってもゼロなので、ゼロの繰り返し、ということになります。

最後に、さらに重要な点としていえるのは、これを元の関数と微分した導関数の関係という点からみれば、定数項の値が違う元関数が同じ導関数になる、裏を返せば、ひとつの導関数は、複数の元の関数に対応し、まとめてそれらの面倒をみている、ということです。つまり元関数と導関数は、この定数項の微分の性質から、1対1の対応ではないのです。

元関数と導関数

以下は、定数項の部分だけを変えた複数の3次関数に対して、同じX値のところで微分して接線をあてがった図です。微分した導関数が同一ということは、同じX値における「微分係数=接線の傾き」も同じ、ということで、接線も平行移動になっています。

元関数と導関数



以上が、単項式の微分の公式で、指数をゼロとした場合の結果と、そこから引き出せる結論です。単純な定数項の話とはいえ微分と導関数に関する多くの興味深い、そして重要な性質を知ることができます。

では今度は、この指数をさらに負の整数、マイナスの指数にまで拡張したらどうなるのか、その前にそもそも拡張が可能なのか、それを検証しましょう。


タグ:微分 公式
posted by oto-suu 14/02/08 | TrackBack(0) | 微分 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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