【微分】微分係数と接線の傾き

ここからは、接線と微分との関わりについて、具体的な計算式を通じて勉強していきましょう。

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もう一度最初に戻って、物体の落下運動における速度をイメージしながら考えます。

接線の傾きと「微分係数」

まず、時点a(秒)と時点b(秒)における「平均の速度」は、上の計算で表せるのでした。これは、グラフでみれば、時間と距離の関係を表す二次関数上の点AとBの間にまっすぐ引いた直線の傾きを意味しています。一般化した言い方をすれば「平均の変化率」です。

次にこれをたとえば、点Aにおいて「微分」する、とは、AとBの差分をできるだけ小さくつづめていく動作のことでした。

接線の傾きと「微分係数」

これは、グラフ上においては、二次関数のグラフ上で点Bが点Aにどこまでも近づいていって、ひとつの点に近くなっていく動きと対応しています。このとき、2点間の「平均の速度(の傾き)」は、微分された「瞬間の速度」に近づいていきますが、グラフ上では、これは、点Aの1点だけでグラフの曲線に接する「接線」の傾きと同じです。「微分することは、接線の傾きを求めることである」というのは、こういうことです。そして前回示唆したように、この接線の傾きは、微分の定義式において、極限値がひとつに決まるのであれば、一意に固定されています。つまり、グラフ上で「ぐらぐら」はしませんし、「瞬間の速度」もひとつに決まる、ということになります。

この微分された「瞬間の速度」(=瞬間の変化率)にあたるもの、あるいはグラフ上の「接線の傾き」を、微分の用語で「微分係数」と呼びます。つまり、「接線の傾きとは微分係数のことである」「微分係数とは接線の傾きのことである」というとき、それは説明というよりは定義ということですね。


微分係数

「微分係数」は、「平均の速度(変化率)」の差分をつづめて極限をとった「瞬間の速度(変化率)」の傾きですので、はじめの計算式から、以下の計算で求められます。

接線の傾きと「微分係数」

これは、微分の導関数に、その微分するターゲットの指定値を入れて計算した値、ということです。従って、微分係数は導関数の表記を使って、以下のように表現できます。

接線の傾きと「微分係数」

「導関数」は、変数を使って一般化された変化の様子を示す式でしたが、微分係数は、そこに特定の値を入れてアウトプットを出したもの、というわけです。

また、この微分係数を傾きに持ち、点Aで元の関数と接する接線を表す式(接線の方程式)は、点A(a,f(a))を通ることから、以前円の方程式を導いたときの考え方を使って、原点からその分だけずれたものだとみて、

接線の方程式

となります。この微分係数と接線の方程式を使えば、関数の式からグラフを描画するグラフ作成ソフトを使って、グラフ上で指定の箇所に対して、正確に接線を引くことができます。

この微分係数に関して、一点注意点は、微分係数は、接線を表す直線の式の中の(傾きを示す)係数であって、導関数の中の式の係数ではない、ということです。たとえば、導関数を以下とした場合、

接線の傾きと「微分係数」

導関数という点からみれば、指定値を入れて全体を計算した値が「微分係数」になります。よって、微分する箇所が変われば、微分係数の値も変わり、あてがわれる接線の傾きも刻々と変わっていく、ということです。

はじめは、ここのところがちょっと紛らわしいので、こんがらからないように注意しましょう。


posted by oto-suu 14/01/18 | TrackBack(0) | 微分 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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