【二項定理】二項係数の性質を研究するV〜素数との関係

二項定理の剰余に関する性質の確認を続けます。今度は一般項のうち「係数」の側(二項係数)が持つ性質をみていきましょう。

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二項定理の一般項

今、二項定理の累乗する次数を「素数」とします。例としてそれを仮に「5」としましょう。二項係数にはどのような性質が現れるでしょうか。

二項係数の計算例

先に実際に計算した上の図で確認すると、二項係数は両端はいつも「1」ですが、それ以外の間に挟まれた項は、次数の「5」の倍数になっており、「5」できれいに割り切れることが確認できます

これは、二項係数を算出する組合せの計算の計算式から、次数が素数のときには常に成り立つ性質となっています。

二項係数の計算例

上の例のように、元の次数が素数であれば、階乗の計算の定義からして、(両端のとき以外は)分母の側がその素数の約数を持つことはありません。従って約分すると、必ず元の素数の要素は約数として残るというわけです。これが、素数でなければ、その次数は階乗の要素になる約数を持っていますので、

二項係数の計算例

の例のように、元の次数が食われて欠けてしまうこともあります。先に示した、二項係数のパスカルの三角形の例でみると「5」次式や「7」次式のひな壇が素数になりますが、実際にそうなっていることを確認してください。

このことを二項定理の展開式全体として表せば、累乗する次数が素数であるとき、剰余の要素としては真ん中の項が(その素数の倍数であるために)全部消えてしまって、両端だけが残ることになります。 p を素数として式で表せば、以下のようになります。

二項定理の剰余の性質

下の方の式は、数を分割して二項定理で分析するときに、片割れを「1」としたときのケースです。

さて、この式はずいぶん変な格好の式で、こんなものを何に使うんだろう、というところですが、「素数」と「剰余」ということでピンときた方は大正解です。この式は、あの「フェルマーの小定理」を二項定理を使って証明するときの部品に使います。このあと実際にやってみますので、乞うご期待です。


posted by oto-suu 13/05/04 | TrackBack(0) | 二項定理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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