【二項定理】経路選び大作戦

二項定理の係数を計算するのに、前項までのボール並べとは別の、「道順を選ぶ」というもう一つの方法を考えてみます。

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この説明を行うにあたって、まず最初の「パスカルの三角形」の図まで戻ります。元になったのは以下の図でした。

パスカルの三角形

この図を元にそれぞれの項の係数がどのようにできているかを考えます。例として3段目の左から2番目の「3・a^2・b」という項をピックアップしましょう。ここには「a・a・b」という掛け算の成分が全部で3本集まって「3aab」になっているわけですが、この「3」という本数は、この図で編み目をたどってここまでたどり着く経路の数とちょうど対応しています。

二項定理 経路選び

これは図そのものが掛け算の順序を可視化したものなので、その経路を図の上でなぞり直している形になります。同様に、その右下の「6・a^2・b^2」についてみると、

二項定理 経路選び

この項の係数の「6」は、計算の上では両斜め上の係数を足して「3+3」で「6」になるのでしたが、道順の選択という視点でも、両斜め上の項までの経路はそれぞれ3通りづつで、そこから先は1本道ですので、合わせて「3+3=6通り」となります。

では、この経路パターンを直接カウントする方法ですが、はじめの図に戻ると、

二項定理 経路選び

この経路の違いというのは、出発点からスタートして、最後は同じ「aab」を揃えるのに、ちょうどパン食い競争や、あるいはスタンプラリーのように、「a」と「b」の要素を途中で拾ってくる順番の違い、ということになります。たとえば、上図の(1)は「a-a-b」、(2)は「a-b-a」、(3)は「b-a-a」です。そこで、あとは「あかたま・あおたま」のボール並べのときにみた、組合せの計算に帰着して、その公式で計算できる、というわけです。

以上から、この道順選びの説明は、ボール並べのものと同じことを別の切り口で見たものになります。上のスタンプ・ラリーの例でいえば、「ボール並べ」の方は、競技が終わった結果のスタンプカードの記録(履歴)を観察したもので、経路選択の方は、動き回っている状態を空中からじかに観察したもの、といえます。

自分では最初のボール並べの図を作ってみてはじめて腑に落ちたのですが、二項定理の係数計算の説明では、今回の経路選びの説明もよく用いられているようです。二項定理の基本は、この「係数が組合せの考え方で計算できる」といういところが理解できれば、それで九割方終わりで、上述のように、両者は本質的には同じ内容ですので、どちらかが引っ掛かって理解の助けになれば幸いです。


タグ:二項定理
posted by oto-suu 13/03/24 | TrackBack(0) | 二項定理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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