【二項定理】二項定理のための「順列・組合せ」V

前回に続き、「順列」の計算方法を検証していきます。ここでは前回の基本形態を一歩進めた発展形を考えましょう。

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引き続き「福引き」を例にとってみていきます。前回は、「全員が当たる福引き」で、「n個の要素からn個全部を取り出して並べる順列」を計算しましたが、それをベースに次は 「n個の要素から一部のr個を取り出して並べる順列」 を考えます。これは福引きでいえば、「外れのある福引き」 に相当します。福引きもそうですが、順列でもこれが最も一般的な形態です。どう計算すればいいでしょうか?

順列の例

この形態の順列を計算する考え方は上のようになります。順列なので、引き手が割り当てられる当選景品はそれぞれ違いますが、前回と違って当たらない人がいますので、数え上げの計算は途中で尻切れになって終わりです。

これを、前回と同様に「階乗」を使ってトーンを揃えれば、全員分を数え上げた順列から引き返して、外れの分の順列で割って消し込んだ形になります。すなわち、

順列の計算

です。一般化した形で書くなら、
順列の公式

となります。これが「n個の要素から一部のr個を取り出して並べる順列」の計算式です。「当たり」が途中で終わっていることを、階乗の計算で揃えて表すために、こういう表現を取っていることを頭にとめておいてください。



「0の階乗」と場合の数

ところで上の公式で、「r」は当たり景品の数を表していますが、この数が引き手の数と同じである、すなわち、「n=r」だったら、計算はどうなるでしょうか?

このとき、計算式の分母は「0の階乗」になりますが、階乗の定義でこれは「1」と決めましたので、分母は(「0」にならずに)「1」となって、式全体は「n個の要素からn個全部を取り出す順列」のものに戻ります。

「0の階乗」と場合の数

このことは、「0の階乗=1」という定義が、この数え上げでの使用と整合性がちゃんと取れていることを意味しています。逆に、この順列・組合せの数え上げで使うために、0の階乗をそう決めてあるのだ、という説明も見られます。この数え上げの考え方からみれば、「0の階乗」は、「0個を取り出す」、つまり「何も取り出さない」場合の数はいくつか、という「パターン」の数を数えている(「0通り」ではなくて「1通り」)という理解になります。


posted by oto-suu 13/02/02 | TrackBack(0) | 二項定理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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