【コラム】社会人の数学やり直し/復習のコツと勉強法

ここまで数学の再学習のサイトを作成してきた経験から、社会人が数学をもう一度学び直そうと思い立ったときに、挫折しないで学習を続けていくうえでの、学習法のポイントと思われる点について書いてみます。自分自身がその経験者なので、参考にしていただけるのではないかと思います。

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手書きノートを作ろう

手書きノートを作ろう

学生時代に数学に苦手意識のあった人が、成人になってから数学を勉強し直そうとするときに、ほとんどの人は、なにか参考書を買ってきてそれを読む、ということから始めると思います。自分も最初は、そのようにしていましたが、昔と同じでさっぱり頭に入らず、すぐ眠くなってしまって、いい「睡眠剤&マクラ」にしかならなかったので、これはイカンと発想を転換して、自分でノートを作りながら勉強することにしました。そしたら打って変わって頭によく入り、はかどるようになったので、それを今も続けています。

数式や図形を実際に自分の手で書いて、あれこれ書き直したり、納得いくまで寄り道して調べることで、テキストを漫然と流し読みしているよりは、はるかにしっかりと論理の流れを追うことができ、細かい疑問点にも気づきやすくなります。

余談ですが、そのとき作ったノートが、我ながらなかなかよく出来ているように思えたので、自分で見ているだけではもったいなくなって、人にも見てもらいたくなりました。数学が苦手な人がつまづく箇所はだいたいみんな似たりよったりでしょうから、同じように勉強し直したいと思っている人にとっても参考になるのでは、と考えて、Webサイトの形に仕立て直して公開したのが、もともとこのサイトをはじめたきっかけです。人から見られるのであれば、さらにしっかりと理解しようと努力することになりますから、そういう狙いもあります。


学校時代のカリキュラムにこだわらず、「自分の関心」から逆引きして勉強しよう

数学が苦手な人が学校の授業で苦痛なのは「なんでこれをやっているのかが分からない」ということです。授業の流れでは、後のものの準備作業として前のものを学ぶように考えられているので、その「前のもの」をやっているときには、無意味な苦行みたいにしか思えないからです。

再学習にあたって、生マジメに同じことを繰り返すとまた挫折する可能性が高いので、思いきって学生向けのカリキュラムは無視して、その「後のもの」からいきなり始めるのがよいと思います。

数学が苦手で縁遠い生活をしてきた中でも、もう一度勉強しようと思ったからには、なにか具体的に知りたいことがあるはずです。「実は対数ってなんのことかよく分かってない。ちゃんと知りたい」とか、「住宅ローンの借金や保険の契約を自分で納得して契約したい」とか、「プログラミングの研修で『ツェラーの公式』ってのが出てきたけど、なんでこの式で曜日が出るんだろう」とか、なんでもかまいません。その知りたい場所からいきなりドボンと飛び込んで取りかかります。そうすると、自分の疑問と取っ組み合いをしている間に、それを理解するのに必要な「前のもの」もおのずから見えてきます。そうしたら、その前のものに遡ってそこを勉強します。さらに足りないものがあれば、さらに遡ります。

この「遡り法」でいいところは、自分の関心事から遡って「前のもの」をやっているときに、それがなぜ必要なのかを自分ではっきり自覚しているところです。目的意識がはっきりしているので、吸収して身につく度合いがまったく違います。

そうこうしてあちこち継ぎ接ぎにつまみ食いしているうちに、逆に学校のカリキュラム、指導要領が、(さすがに)深く考えられて作られていることも分かってきます。それならはじめからその通りやればいいじゃないか、というところですが、これもきっと、自分自身でそれを発見して納得することが大事なのです。

この「遡り法」が楽しいのは、たぶんそれが数学や科学が発達してきた流れそのものに近いからです。それらもまた、あらかじめ決められた予定表どおりに順調に発達してきたわけではなくて、それぞれ何かのねらいや問題意識があって、それを解決するために、さんざんつっかえたり行ったり来たりしながら切り開いてきたものです。それと近い進め方をすることで、その時代時代で最も優秀な頭脳をもった開拓者たちが全力で取りくんで、くぐり抜けてきた苦労や楽しさを、ちょうどテーマパークの冒険アトラクションのように、自分でもちょっぴり追体験することができます。


学習にいかに能動性を挿入するか

以上の二点で共通しているのは、いかに受け身にならずに、勉強の中に「能動的な要素」を盛り込むか、という点です。

ノートの話も同じで、手作りノートがいいからといっても、参考書をただ頭から写経しているだけでは、あまり意味がありません。二番目の方法と組み合わせて、カリキュラム自体を自分で作るところからはじめることで効果が大きくなります。自分は具体的になにが知りたいのか、そして今分かっている範囲で、それを知るために必要な項目はなにか、そういったことを書き出していって、簡単な計画表を、まず作っておきます。

当サイトの内容も、運営者自身のそうした試行錯誤の記録です。同じような立場のひとたちにとって、それが、鉄棒の逆上がりの練習をするときに、タイミングよくちょっとお尻を押してあげられるような内容になっていたとしたら、こんなにうれしいことはありません。


posted by oto-suu 12/12/20 | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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