
まずひとつめは、任意の金利の連続複利として導いた以下の式です。
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お次は、上の r を「−1」とおいて整理した以下の式です。対数の起源の話の中で触れました。
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最後は、金利の暗算ルール「72の法則」で、ちらっと頭出しした以下の変形です。もう少し詰めてみましょう。

ネイピア数の原形のこの式で、n=1/m とおくと、このようになります。このとき、n をどこまでも大きくすると、m は逆数ですので、どこまでも小さくなります。従って、
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です。このとき、極限値リミットの機能が、「0に向けてどこまでも小さくなる」という方向になっていることに注意してください。これまでは、無限数列からの流れで、変数をどこまでも大きくしたときに式の値がどうなるか、という考え方でしたが、それが逆転しています。
ちなみに m を縮めていくとほんとうにこれがネイピア数になるのか、実際に値を入れて計算してみると、

m が大きなところでは、大きな乗数で累乗根をとる形になりますので、計算値は 1 に近くなり、m をどんどん小さく、0 に近づけていくと、1/m はどんどん大きくなりますので、 1 にちょっぴりの数を足してそれを巨大な乗数で累乗する、というネイピア数の計算が現れてきます。式の変形からみて当たり前の結果といえばそうですが、面白いです。
以上、ネイピア数の3つの派生パターンについてまとめました。これで確認が取れましたので、今後はこれらの「型」が計算の中で出てきたときには、もとの定義の式と同様、「この部分はネイピア数である」といってよい、ということです。
さて、金利と自然対数の話題は以上で一段落です。フィボナッチ数列に続き、金利と自然対数の山もどうにか乗り越えて、数列の節も全体としてそろそろ終わりに近づいて来ましたが、ここまで数学学習サイトらしからぬナマナマしい話も続いていささか胸焼けしましたので、次回からはまた数学らしい、涼しいテーマに戻って締めに向かいたいと思います。