【数列】自然対数の登場T〜任意の金利の連続複利

前回の連続複利の紹介では、金利をキリのいいところで、100%として考えましたが、これを任意の金利とした場合の連続複利がどうなるかを検証しましょう。

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ネイピア数「e」

連続複利の定義の式は上記で、これがネイピア数「e」だよ、ということでしたが、ここで金利の100%は「1/n」の中の「1」の部分に現れていますから、任意の金利の場合は、そこを取り替えたものになります。これは n が連続複利でなくても、半年複利でも3ヶ月複利でも同じです。その金利を r とすると、

任意の金利の連続複利

となります。今からこの式を少し改造したいと思いますが、ちょっとトリッキーなので、よく見ていてくださいね。

まず、上の式で、r n の計算上の比をとって、これを別の文字を使って k とします。すると、

任意の金利の連続複利

です。そこで、これで極限をとる前の式を置き換えると、

任意の金利の連続複利

となります。なぜこんなことをするのかというと、上からわかるように、カッコの中にしまわれていて、扱いづらかった金利の r を外に追い出すためです。

そのうえで、この極限を調べますが、上の(1)の式から、金利 r は固定ですので、 n をどこまでも大きくすると、 k もつられてどこまでも大きくなります。従って、

任意の金利の連続複利

です。ここで指数に追い出した r 以外の、上の(A)の部分は、レターが変っているだけで、連続複利の計算動作そのものですから、ネイピア数「e」で置き換えられます。以上を整理すると、任意の金利 r のときの連続複利を与える式は、

任意の金利の連続複利

となります。この式にはどんな意味があるでしょうか。金利が100%のときには、連続複利が収束する比率としてネイピア数「e」を表していましたが、この式は、任意の金利の場合、ネイピア数「e」を金利で累乗した値が連続複利(の運用額)になる、ということを意味しています。

ネイピア数の定義のときには、「年利100%」という、ちょっと現実にはなさそうな仮の金利でしたが、この式を使えば 2% でも 0.2% でも、世の中にあるふつうの金利で、どんな金利でも自由に連続複利の値が出せるようになります。

ちょっと長くなりましたので、ここで一息入れて、次回に続きます。


posted by oto-suu 12/09/21 | TrackBack(0) | 数列 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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