10進数の1の位である mod 10 の余りを出すとき、累乗される 2 は法の10と比べて、どうひねっても明らかに差分の1 は作れませんから、累乗公式で「1」を累乗するのとは別のやり方を考える必要があります。方法は他にもいろいろあるでしょうが、ここでは(「1」のかわりに)「6」を使う、という手を考えてみることにします。
この問題でQ&Aサイト等でよくみられるのが、2の累乗の1の位は 「2-4-8-6」 と回転するので、ここから類推する、というものです。

確かにこれで大きな乗数でも答えを言い当てられますが、壁の外から当て推量しているだけで、ちょっとムズムズしますので、計算で出せるようにもうすこし詰めてみましょう。
上の図で注目されるのが、ローテーションの切り換え点になっている 「2の4乗=16」 という項です。このときの1の位の「6」はなかなか面白い数字です。まず、6の累乗は、6の2乗が36ですぐまた6に戻るので、何回かけても必ず1の位は常に6ですし、また、1桁の偶数 「2,4,6,8」 を 6 に掛けると、1の位は必ずその数自身に戻る、という性質もあって、「1」と動きが似ています。

こうなるのは、「6」が「5+1」で、掛ける数が偶数のときに「5」の部分がそれと結びついて「10」ができ、余りという点ではその部分が飛んでしまって「1」由来の分だけが残るからです。よって、mod 10 で、累乗される数が偶数のときは、この「6」が「1」の代替品になります。「1」を探せ、の代わりに「6」を探せ、です。少々変わり種ですが、これで式を組み立ててみましょう。

かなりスパっといけたのではないでしょうか。同じ方法で「2」以外の偶数でも応用可能です。

上にあるように、mod 10 で基数が偶数のときは、「6」に偶数をかけた1の位はいちいち計算するまでもなく同じ数なので、簡単です。
最初に出てきた mod 10 の余りのローテーションも、奇数(5以外)の場合は「1」を基点に回転するのに対し、偶数では「6」が出現するタイミングで回転します。従って「2」と「8」は4ビート(拍)、「4」は2拍です。
「2の100乗問題」は実際に試験で出ることもあるようですが、上のやり方は、自分で勝手に考えたものですので、これをそのまま書いて採点官の先生からマルがもらえる保証はありません。参考書や授業で別の、もっとオーソドックスなやり方が紹介されている場合は、そちらに従っていただいた方が無難です。