【数列】財務関数を使うV〜支払い期日の問題

ここでは財務関数のパラメーターである「支払期日」の使い方について整理します。

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表計算ソフトで金利計算を行う財務関数で、この「支払期日」については、場面場面に応じて「1:期首」を入れたり「0:期末」を入れたりしていました。見ていてなんとなく違いが分かったかもしれませんが、もう少し細かくみてみましょう。

積み立て貯蓄やローンの返済を行うときに、積み立て/返済の各単位期間で、その期首に払込みを行うか、期末に行うかで金利のかかり方が違ってきます。財務関数の「支払い期日」はこれを指定するものです。

まず、積み立て貯蓄の場合は、たとえば1ヶ月に1回、×万円を積み立てる、といったときに、その1カ月の期首、最初の日に払込みをすると考えるのがふつうです。よって、FV関数や、PMT関数を積み立てで使うときは、期首の「1」をセットします。この場合、期首にすでに金利がかかる対象となる資金が存在しますので、そこから金利がかかりはじめることになります。

積み立て貯蓄と「支払期日」

一方、ローン返済の場合は、×万円を借りて10カ月で返済する、といった場合、最初の返済は借入をしたばかりの初日ではなく、1カ月が経過した単位期間の期末に行うのがこれもふつうと考えられます。よって「0」の期末を入れます。この場合、最初の一月は、元金がまったく動いていませんので、その全額に金利がかかることになり、1カ月後に最初の返済があってからはじめて残債方式で減少した元金に金利をかける形です。

ローン返済と「支払期日」

これをわかりやすくするために、極端な例として、「積み立て/返済回数」を 1回 として、関数の挙動を比べてみましょう。

まず、FV関数で期首とした場合と、仮に期末の入金とした場合を比較します。

FV関数

期首の「1」としたときは金利が1期分ついていますが、「0」としたときは1期の期末に現金を積んでその途端に運用が終わりですので、まったく金利がついていないことがわかります。

次にPMT関数のローン返済で、期首に返した場合と期末に返した場合を比べてみましょう。

PMT関数

今度は逆に、期末の「0」としたときは1期分の金利がつきますが、期首の「1」にすると、これは1万円を借りてその途端に同額をそのまま返したということですので、金利がまったくつきません。

積み立てで「期末」の入金という考え方はあまりないかもしれませんが、借入れの契約では「期首」の返済という契約も(特に事業融資では)実際にありうるようです。期首返済の契約、ということは、上の話から、借りた当日に早くも第1回目の返済があるということで、1回目の返済分を天引きされた形でお金を渡されることになります。すなわち、なにかの目的で使おうと(たとえば仕入れ先に代金を払おうとか、幾らの機械設備を買おうといった目的で)ある額の金額を金融機関から借りたつもりが、きっかりその金額が手元に来ない、目当ての金額を借入れするためには、その分を見越してあらかじめ多めに借りておかないといけない、という困ったことになります。関数機能では0か1かの小さな違いですが、実生活の場面に照らすと、けっこうおっかないスイッチです。契約書をよく確認してから借りましょう、ということです。

それから、ちょっと注意していただきたいのは、上の例で、積み立てのFV関数と返済のPMT関数で、金利がかかるケースが「0」と「1」で逆になっていることです。上の説明にあるとおり、積み立てでは期首に現金があるかどうかがポイントで、「1:期首」のフラグをたてて現金を置けばそこではじめて1回分の金利がかかりますが、返済の場合は、借入で金利対象の現金ははじめから置かれており、「1」のフラグでそれを取り除けば金利は1回分減り、「0」で期末までそれを引っ張ることではじめて積み立ての「1」と同じ1回分の金利が追加されます。ですからフラグと金利のかかり方は逆になります。

これはPMT関数の中で積み立ての用途で使ったときも同じ考え方ですが、逆に定期支払額の側からみると、フラグの動作は同じになります。というのは、積立てでフラグを「0:期末 → 1:期首」に変えるということは、1回分金利が増える分、同じ運用結果を出すのに少ない積立額で済むということで、1回分の金利で割り引いた額になりますが、これはローン返済で「0:期末 → 1:期首」に変えて金利が1回分減ったときの動きと同じだからです。

前回予定したとおり、このあとでPMT関数の中のローン返済と積み立ての機能が統一的な考え方で理解できるかどうかを検討したいと思いますが、上の話もからんできますので、少し頭にとめておいてください。


posted by oto-suu 12/08/26 | TrackBack(0) | 数列 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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