まず、各期における計算手順は上記でした。これに基づいて実際の計算式を編んでいきます。借り入れ元金を D、金利を R [ (1+R)=r ]、元利均等返済の毎回の固定返済額を x とおくと、1期目の計算は、
2期目は、ここから金利をとってまた x を引きますので、以下同様に、
となります。最後の n 期の支払いで完済なので、これがイコール 0 となり、これを x を割り出すためのタネの方程式とします。積み立て貯蓄のときと同様に、等比級数の公式で置き換えて、
です。ここで、先にローンの場合には、単利適用にもかかわらず複利のような計算になる、と述べた内容が確認できます。毎回金利を掛けながら返済額を差し引いていくために、金利の r に関する等比級数の部分が積み立てのときと同じように計算式の中にできてきて、元金への繰り入れがないにもかかわらず、複利「的」な計算になるのです。
では続いて、この元ダネの方程式を整理して、x について解いていきましょう。
ここでもうちょっと簡単にしたいので、分数の部分を r の n 乗で割ってみます。
できました! これが元利均等返済の固定返済額を算出する計算式になります。当該の内容が書かれたサイトや資料でときどき目にする公式です。ずいぶん苦労しましたが、自分で手順を踏んでちゃんと出しましたので、もう「なんだか分からないけど結果が出る」呪文の計算式ではありません。また、だいぶん姿は変わりましたが、この式のベースにはやはり等比級数の公式があります。
では、このできたてホヤホヤの式を使って、次回でいろいろ計算してみましょう。