前回みた元金均等払いでは、毎回の元金返済は一定に固定されていますので、ローン設計の原則である残債方式により、元金が多く残っている返済初期では金利および全体の返済額は大きくなり、それが徐々に低減していきます。このとき、各期の元金の額を微妙に調整し、元金支払いを後ろに寄せ上げることで、その低減が起きないようにする、つまり毎期の支払額が一定になる均衡点を算出することは理屈上可能で、これを算定したものが「元利均等払い」です。
ここから、この返済額を算定する計算式を検証していきますが、先にあらかじめその計算式を使って出した返済額でローンを組むとどういう姿になるかを、元金均等払いの際に使った例で比べてみましょう。100万円を10回払いで、1期あたり2%の金利で返済するというケースです。
上に述べた点に加え、毎月の返済額が固定されるのと引き替えに、元金の返済を後ろに遅らせている分、金利と返済合計額が元金均等払いのときより多くなっていることが確認できると思います(上記は小数点以下を処理せずにそのまま計算していますので、端数が合わなくなっているところはご容赦ください)。
では、この固定の返済額をどうやって求めるのかを、順を追ってみていきましょう。