たとえば借り入れ額が100万円とし、それを10回で返済するとします。元金均等払いでは、最初に総額の100万円を返済回数で割って1回あたりの元金の返済額を10万円とシンプルに決めてしまいます。毎回の金利は前回の残債方式で計算しますので、初回は全額100万円、2回目は90万円、3回目は80万円に利率を掛けていきます。これによって「元金+利息」の各回の支払い額は、上の図のようにはじめの方は額が多くなり、あとになるほど少なくなって、最後はほとんど金利がかからなくなります。
元金均等払いのメリットは、なんといっても計算が簡単なことです。特に難しい計算式などは必要ありませんので、数学の知識がなくても表計算ソフトなどを使って簡単にシミュレーションできます。また、最初の時期さえ乗り切ってしまえば、返済額がどんどん減っていく点や、あとで比較する元利均等払いと比べると、元金の減少度合いが早いので、利息の総額も少なくなる点も見逃せません。
一方、デメリットとしては、支払額が毎回違うので面倒な点と、返済当初の負担が大きいことです。
この考え方に基づいて、上の例を1期あたりの金利2%で組んでみましょう。
各回の利息は、返済回数を参照しながら残債務に金利をかける形で計算式を組みます。
借り入れ全体ではなく残債務に金利を掛けていること、毎回金利を優先的に払いきってしまって、元金への繰り入れは生じていないこと等、先に述べたローン設計の原則を確認してください。
これを拡張すれば、住宅ローンのような大型のローンも簡単に計算できます。Wikipediaに出ている、2000万円の住宅ローンを20年(240回)で返済する例を計算してみます。総支払額は、
”25,020,833 円 ”
となり、Wikipediaに掲載されている額と一致します(ここで1期あたりの金利は「年利」2.5%を月数の12で割って出していますが、この考え方については後述します)
では、この理解をベースに、次に最も普及した返済方式である「元利均等払い」の仕組みについてみていきましょう。