【数列】金利計算の基本

学生の頃に数学が苦手で途中で学習をあきらめてしまった人で、大人になってから仕事や生活でいちばん困るもののひとつが「金利」の計算ではないでしょうか。

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金利を計算する

金利の計算を理解するには数列、とりわけ等比数列の知識が必要ですが、数学嫌いの人は大半がこのあたりで挫折して、引き返してしまうからです。一方で、社会生活の中では金利は付き合っていかなければいけないもので、積み立て貯金を何年したらいくらになるのかを知りたいとか、ローンでお金を借りるときにいくら借りたら月額の支払いはいくらで、合計返済額はいくらになるのか計算したい、といった形で、必要になる場面はしょっちゅう出てきます。

この関連で、たとえば公認会計士でベンチャー投資家の磯崎哲也氏は、上場企業の管理職のような立場の人でも、基礎的な金利の感覚を身につけている人は少なく、この点の素養がもっと全体的に底上げされていたら、消費者金融の多重債務のような社会問題も、まったく違った状況になっていただろう、と述べています。

また、金融評論家の山崎元氏は、投資相談会を開催すると、投資に関心のあるような人が集まった中でも、金利の計算ができる人は少ないことを前提にしないといけない、と次のように書いています。

お金を正しく扱うには、いくつかの計算が正しくできなければならないが、問題は、計算が嫌いな人が多いことだ。筆者自身も、できれば細かな計算はしたくないし、運用を教える場合には、「数式」を見せただけで拒否反応を示す受講者がいることを想定しなければならない。特に初心者向けの説明を意識する場合、必要性と簡単さとのあいだで、何を伝えるかに悩む。

こうした観察は、自分の経験からいっても実際にまったくその通りです。そこで、自分も含めて数学が苦手な人でも、基礎的な金利計算の知識だけはなんとか身につけられたらよいと思いますが、どのように工夫したらそれが理解しやすいようなものになるのか、それもちょっとわかりません。金利の計算は、数学的な部分だけに限ってもけっこう難しいですし、そこにさらに法律、会計などいろいろな要素が関わってくるので、さらに込み入った話になってきます。いろんな方面から口をはさんでくるのは、それだけこの話が重要で、ほうっておかれないということなのだと思いますが、気にしなければならない要素が増えて、かえってややこしくなってしまっている面も否定できません。

どうやってそれをより分かりやすく教えて、知識を身につけた人を増やしていくか、という大問題は、数学教育や金融の専門家にこれからも頭をひねってもらうにして、ここではいつもどおり、自分で整理した範囲の内容をたんたんと書いていきます。さしあたっての目標は、積み立て貯蓄で運用額がいくらになるかを自分で計算できるようにすることと、ローン返済の一般的なやり方である元利均等払いの計算ができるようになること、の2つです。

なお、あらためてご注意ですが、ここでの掲載内容は、サイト作成者の学習過程を記録したものです。内容にまちがいがある可能性もありますし、実際の貯蓄・融資などの金融商品では、基礎的な骨格に加えて、商品特有のセッティングが加わっていることも当然ありえます。実際の場面で応用する際は、それらの点に充分にご注意いただき、金融の専門家が作成したほかの複数の資料とも照らしながら、参考情報のひとつとしてご活用いただくようお願いします。

では、最初は、金利の計算でいちばんの基本である、単利と複利の違いからみていきましょう。


posted by oto-suu 12/06/08 | TrackBack(0) | 数列 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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