【数列】漸化式を解くのダ!〜隣接三項漸化式の解法

さて、弾みがついてきたところで、そのまま余勢をかって隣接三項漸化式の一般項化に挑戦してみましょう。このタイプの中にお目当てのフィボナッチ数列も含まれています。

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隣接三項漸化式

とはいえ、実際に取りかかろうとすると、いきなり困ったことが出てきます。前回の隣接二項漸化式では、「等比数列化する」という手法で、一般項を求めましたが、これは元の数列が等比数列と同じ「2項」の漸化式だったからできたことでした。今度は「3項」で、項の数からして合っていません。同じやり方が通用するものでしょうか?

しかし心配には及びません。実は3項の漸化式にもちゃんと「2つ」あるものがあります。それは3つの項の「間」です。ふざけているみたいですが、大まじめです。前回よりもさらに輪をかけて強引で、曲芸がかってきますが、これで実際に一般項が導けます。やってみましょう。

項は3つでも間なら2つある

上の図のように、3つの項の間にある「2つの差」をとって、ここを等比数列に見立てます。前2つの項には、係数が掛かっていますので、隣接二項のときと同じように、その差分を与える変数を x とおきます。また、隣接二項では「公比」にあたる係数は、元数列の b をそのまま使っていましたが、今回は真ん中の項(n+1)が両端との差を取るために二つに分裂していますので、もう一つの変数 y を使ってそれを補い、これを公比とします。

項は3つだが間なら2つだ、というこの考え方は、ちょうどハンバーガー屋さんの「ダブルバーガー」に似ています。パンは3枚ですが、間に挟まれている具のハンバーグは2枚です。パンを見ていて3枚だと言っていたところを、ハンバーグの方に注目して考えるわけです。

では始めましょう。隣接二項のときと同様に、ターゲットの等比数列を X(n) とおき、元数列 a(n) との関係式を立てて、それを X(n) の漸化式の中に押し込んでやります。

隣接三項漸化式を解く

すると、元の数列との係数の比較から、特性方程式が求まります。

隣接三項漸化式を解く

特性方程式は、x について求めても、y について求めても同じ二次方程式になります。二つの変数が別の値であるとすれば、このことは、二つたてた特性方程式の変数は、りゃんこに入れ換えても構わないこと、また、同じ二次方程式の二つの解がそれぞれに当てはまることを示すものといえます。

そこで、ここでちょっと(というかさらに?)キワどい手を使います。上記から等比数列との差分の特性方程式が求まりましたので、これをターゲットの等比数列の一般項にはめこむことができるようになりましたが、このとき、変数を入れ換えた式を二つ作って両辺をそれぞれ引いてやります。なぜ、そうするかというと、それによって、元数列の項の差分を仮想的な項に見立てていた状態から、片方が消えることで元数列の項のひとつだけが残り、完全な一般項の形になるからです。

隣接三項漸化式を解く

これでなんとか一般項までたどりつくことができました。しかし、やれやれエラいことになりました。xy は特性方程式の解ですが、これを解いて式に入れるとますます目も当てられないことになりますので、とりあえずこのままにしておきます。

隣接三項漸化式を解く

はじめのシンプルな式からは似てもにつかぬ、複雑怪奇な式ですが、でも、これも大丈夫です。この式も覚える必要はぜんぜんありませんし、目当てのフィボナッチ数列は、元の漸化式の係数が両方とも幸い 「1」 なので、峠を登りきった向こうを下ったところで、もう少し楽なものになります。考え方をしっかりつかんでおいて、あとは応用するだけです。

とはいえ、この式も、よくよく眺めると、三項の間をとってたてた仮の等比数列の項がそのまま入ってシンメトリーになっていて、なかなか味わい深い、美しい式ですね。

では、この苦心の作をお弁当に携えて、一呼吸おいたら、いよいよ「フィボナッチ数列の一般項」に行ってみましょう。


タグ:数列 漸化式
posted by oto-suu 12/04/21 | TrackBack(0) | 数列 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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