【数列】漸化式を解くのダ!〜隣接二項漸化式の解法

漸化式を一般項化する解法の代表的なものに、「等比数列化する」という技法があります。フィボナッチ数列のような隣接三項の漸化式にいきなり挑戦する前に、まずはより基本的な隣接二項の漸化式で基礎トレーニングをして感覚をつかんでおきましょう。

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まず、隣接二項漸化式を一般化した基本形として以下のものを考えます。

隣接二項漸化式

この数列は「公比」の部分と「公差」の部分を両方持っているので、「等差数列」「等比数列」を混ぜた、ミックス焼きみたいな数列です。「c=0」であれば純粋な等比数列になるので、等比数列自体もこの中に含まれているといえます。

このミックス数列を「等比数列化する」とは、どういうことでしょうか? 今、この元数列がなんらかの変形を加えれば等比数列そのものになる、と信じることにして、その仕立て直しの数列を X(n) とします。X(n)と元数列の a(n) の各項は同じ値ではありませんから、その間にある共通の差分を x とおくと、この x を計算式を整理して特定できれば、逆にその差分を足しこんでやることで、目当ての等比数列を得られるはずだ、というもくろみです。

隣接二項漸化式

ではさっそくとりかかりましょう。上に定めた仕立て直し後の等比数列 X(n) と元数列 a(n) の関係式を、X(n) の漸化式の中に押し込んでやります。

隣接二項漸化式

式を整理すると、元の漸化式との係数の比較から、 x の値がめでたく定まりました。これがターゲットの等比数列との間の差分値ということになりますので、これを補ってやれば、元の数列が「等比数列化」できたことになります(両者が相互に変換可能なことを確認してください)。

隣接二項漸化式

注意点は、「等比数列化する」といっても、ただ単に式からじゃまな尾ひれの「+C」を取り除けばいいというわけではないことです。「+C」の成分は、左辺の a(n+1) の項だけでなく右辺の a(n) も含め、すべての項に含まれていますので、そこから同じように等しい何かを取り除いたときに等比数列になる x は何か、という考え方です。

ところで、漸化式の解法として「等比数列化する」ことが有効なのは、「漸化式 → 一般項」の変換が等比数列では既に得られているからです。あとはそこに機械的に流し込んでやればいいということになります。

等比数列の一般項は以下のものでしたので、これに先程の差分値を使って入れ替えてやります。

隣接二項漸化式

これで、元のミックス数列の一般項が立派に導き出せたことになりました。純粋な等差数列、等比数列のときとちがって、「漸化式を解く」とだいぶん複雑な式になっているのがわかります。この式を覚える必要はぜんぜんありませんが、「等比数列化する」という考え方と差分を補うときの要領を意識しておいてください。

考え方のポイントは、「なんらかの差分を補ってやれば純粋な等比数列になるはずの数列」として元の数列をとらえ直すというところにあります。この考え方はちょうど、「つぶれた分を引っ張って延ばしてやれば"真円"に戻るはずの図形」として、楕円の方程式を割り出したときと似ています。

また、このやり方ではターゲットの等比数列と元数列の差分をどう求めるかがキーになります。この差分 x を与える方程式を、元数列の「特性方程式(characteristic equation)」と呼んでいます。「漸化式を解く」ときのひとつの鍵になる式です。


タグ:漸化式 数列
posted by oto-suu 12/04/01 | TrackBack(0) | 数列 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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