フィボナッチ数列を 「Fn」 とし、極限値リミットの表記を使って書くと、上のようになります。のっけから実に驚くべき、ミステリアスな性質です。さっそく実際に値を入れて確認してみましょう。黄金比は以下の値でした。
なるほど、たしかに黄金比にどんどんどんどん、近づいていっているように感じられます。
さて、ここで、先に極限値の説明で触れた話が出てきます。この黄金比の値への「収束」は、ホンモノでしょうか?それとも見せかけだけのニセモノでしょうか?なにせ数列の無限の先の話で、極限値が黄金比という「無理数」なので、いっそう微妙な気がします。たとえば、黄金比に似ているけれどもそれとは別の近似の数に近づいていくというケースとどう区別すればいいでしょうか?
フィボナッチ数列のこの黄金比への収束は数式を使って「証明」することができます。従って、この収束は「ホンモノ」です。あるいは別の言い方をすれば、それをもってはじめて、黄金比へ収束する、ともっと自信をもって言うことができます。
このフィボナッチ数列と黄金比の関係は、数学を学んだ中でもっとも印象深い経験に挙げる人も多いです。それが自分の手で証明できるとしたら素晴らしいですね。今から実際にそのことを確認していきたいと思いますが、そのためにはどうしてもフィボナッチ数列の「一般項」を求める必要があります。今手元にはフィボナッチ数列の漸化式がありますので、それを一般項に変形する、すなわち、フィボナッチ数列の「漸化式を解く」必要があります。
ということで、幸か不幸か、いよいよ腹を括って「漸化式を解く」に挑戦するほかなくなりました。そこで、少々回り道にはなりますが、このフィボナッチ数列のことを頭にとめながら、まずはより簡単な、基本の技法からおさえていきましょう。