「平方数(square number)」 とは、ある数を二乗した数のことです。さっそく確認してみましょう。等差数列の和の公式は、以下のものでした。
奇数の数列は 「初項a1:1、公差d:2」の等差数列ということですから、代入して整理すると、
あらビックリ、確かに項数 n の自乗になります。逆にいえば 「ある数の自乗は、1からその数までの個数の奇数の和で構成される」 ということです。面白いですね。等差数列はいちばん簡単な数列ですが、こうしてみると、なかなか馬鹿になりません。
これを別の角度からみてみましょう。今、ある項までの奇数の和が、なるほどその項の数の平方数であるとして、その次の隣の奇数をさらに足しても平方数がちゃんと維持されるのはなぜでしょうか?
n 番目の項までの和が n の二乗とすると、次の n+1 番目の奇数は、等差数列の一般項の式から、以下のように表せます。
従って、これを元の n 番目までの和に足しこむと、
となって、確かにこれもまた、次の隣の項数の平方数になりました。つまり、奇数の列の場合、ひとつ隣の次の項が、因数分解の公式で「+1」にしたときの式の差分「2n+1」を補う形になるので、どの項の和をとっても、平方数が維持される、という仕組みです。これをわかりやすく可視化したものとして、この説明にはよく次のような図が添えられています。
前の平方数に「2n+1」が加わることで新たな平方数ができる、という原理が一目瞭然で確認できる、みごとな図です。
では、同じ考え方で「偶数の和」を作ったら、どんな格好になるでしょうか?これはみなさん自分で考えてみてくださいね。