まずは用語の定義からです。数列(sequence of numbers)は今もありました通り、「数が一列に並んだもの」です。並んだそれぞれの数を「項」といい、最初の項を「初項」といいます。
数列の項が並んでいるのは、別に規則性のない、でたらめなものでもいいのですが、当面はそのようなものを相手にしても特に面白いことはありませんので、なんらかの規則性のある並びについて、その性質をあれやこれやの切り口から調べていきます。最も代表的な数列は、それぞれの項の差が一定である「等差数列」と、比が一定である「等比数列」です。各々の一定の差と比を公差、公比といいます。
数列の活用
数列は、これも学校で勉強したときは、数字や文字式が単調にえんえんと続くばかりで、こんな物好きなことがなんの役に立つんだろうと、その無味乾燥ぶりもはなはだ苦痛でしたが、あとから振り返ると、日常のさまざまな場面で直接的な実用性が高いことに驚かされます。特に、等比数列は、「金利」の動きのそのものですので、個人の生活でいえば、家や車などの大きな買い物をするのにローンを組むときとか、あるいは仕事の中で、企業の企画業務や個人で商売を始めるといった場面で、事業の有望性を判断する際に考え方が直接適用できます。これらのケースでは、元の金額がたいへん大きいために、ほんのわずかの利率の違いが、最終的に非常に大きな支払や収支見込の違いになってはねかえってきますが、自分でその計算式を調節することができれば、不動産屋や見積りサイトの提示する額を、自分で検証して確認することができます。逆に、それができなければ、出てきたものを言いなりに受け入れるしかありません。特に融資業者からローンや事業資金で大金を借りるときに、このことがどんなに心強い味方、武器になるかは言うまでもないでしょう。
そうした実用まわりの「生臭い」話も、適宜目配りしながら、進めていきたいと思います。