【数の構成】合同式で遊ぼう〜合同式の演算公式V

ひきつづき合同式の演算公式です。先の回の公式を組み合わせることで次の公式が導けます(だんだん「計算」ぽくなってきました)

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同じ「法」なら混ぜて足してもよい

合同式の演算公式

「法」が同じであれば、式同士の辺々を足してもよい、という公式です。この公式は上のとおり、先の回の「推移律」のトモダチ公式と、「和の公式」を組み合わせることで導けます。

合同式の演算公式

実際の値を入れてみてみましょう。次の例では、元の合同式はそれぞれ裏にいる余りの値はちがっていますが、それが並行して同じように足されています。それによって合算された新しい合同式でも余りの値は変わりますが、同じ法に対する合同関係は維持されています。要は、合同関係は余りが同じというだけの薄い縁なので、割り切れる倍数の部分は頭の中で消し飛ばして、余りだけを目を離さないように丹念に追っていけばいい、ということです。

合同式の演算公式


足してもいいなら掛けてもよい

合同式の演算公式

上の、式同士の和の公式で、「c=a」「d=b」とおくと、「2a≡2b」となります。これはつまり、同じ「a≡b」という合同式を二回足しました、ということです。何回足しても同じことですから、これはすなわち両辺に同じ整数を掛けてもよいことを意味しています。例によって、余りだけを頭の中でトレースすると、同じ余りに同じ数を掛けているので、合同関係も同じ、ということになります。



合同式を使って「倍数」を判定する

ここで一息入れて、ここまで仕入れた公式のストックを使って、応用のレシピを一題やってみましょう。いま、手元に「3」を法とする次の3つの合同式があるとします(正しいものであることは暗算で確認できますね)。

合同式の演算公式

この3つの両辺に、上の掛け算の公式を使って、それぞれ整数の変数 a、b、c を掛けます。

合同式の演算公式

次に同じく式の和の公式を使って3式の辺々を合算します。すると以下の合同式ができました。

合同式の演算公式

この式はなにを意味しているでしょうか?左辺は、10進数の基本構造の式になっています。対して、右辺はその各桁の数を単純に足したものです。すなわち、この式は、各桁の数を足した値が3で割り切れる数は、自身も3で割り切れるという、われわれがよく知っていて、日常でも使用している経験則を合同式で表現したものになっています。さらに、3の割り数に対して、割り切れる0のときだけでなく、各桁の合計値の余りは元の数の余りと常に同じである、ということをも示しています(数字をいろいろ入れて確認してみてください)。同じような分析は、2の倍数(偶数)、4の倍数、5、8、10の倍数などにも簡単に行えます。数の性質に対してこのような分析がスマートに行えるのが、合同式の機能の優れたところです。「9の倍数」についても上の3の倍数とまったく同じですが、これまでみてきたように、「9」は10進法の中ではちょっと特別な数なので、あとでトピックとして取り上げます。


posted by oto-suu 11/09/03 | TrackBack(0) | 数の構成 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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