まず、10進小数が有限小数になる条件を振り返ると、それは分数に置き換えたときに分母が「10のn乗」で通分できることで、そのことは、分母の約数が2と5の部品だけでできていて他の夾雑物が混じっていないこととイコール、というものでした。そこからすれば、2進小数が有限小数になる条件は、相当の分数の分母が「2のn乗」になる、というものであることが推定できます。前回の10進小数/2進小数の変換ワザを活用して、このことを確認しましょう。

実際の例でみてみます。まず、分数にすると分母が2の累乗で表せるような10進小数を、いくつか2進小数に変換してみます。


前回の変換法にのっとって、元の小数に2を掛けながら整数部を取り出していき、小数部が0になったらそこで終わりです。2の累乗の場合は、たしかに有限小数になっています(「その先は0がずっと続く無限小数」とも言えます)。
では、次に分母が2の累乗にならない場合をみてみましょう。例として、10進法では何のヘンテツもない有限小数 「0.4=2/5」 を変換してみましょう。

変換手順にかけると、小数点第5位で、小数部が1位と同じ値に戻ってしまっています。そこから先は繰り返しでいつまでも終わりません。すなわち循環小数になっていることが確認できます。