まずは対数関数の方から見ていきましょう。底の値が1より大きいとき、対数関数のグラフは以下のような美しい形をとります。
<対数関数のグラフの特徴>
- y は指数=対数を示すので、y=0 のとき、x=1 を通る。これは 底の0乗が常に1 だからである
- x と y は真数と指数(常用対数のときは桁数)の関係にあるので、真数 x の増加に対して、指数 y はきわめてゆっくりとなだらかに増加する関数になる
- マイナスの指数の定義 から、 y が負の値をとってどんどん小さくなると、 x は限りなく小さくなり、0に近づくが、負の値にはならない
このグラフは、「真数と桁数の関係」を述べた記事の真ん中の図をそのまま座標平面上にプロットしたイメージです。真数である x の値が大きくなればなるほど、対数 y の増加の勾配は頭を抑えられ、同じ幅の中に長い真数のバンドが納まる形になります。
続いて、指数関数です。これは、対数関数と逆に、x 値に指数をとり、y 値に真数を振りあてた関数で、形状も同じものをごろんと裏返しにしたような形になります
対数関数と反対に、指数関数では x が0のときに、 y は必ず1を通ります。また、 x 値はマイナスの値をとることができ、そのとき y 値は1を割ってどこまでも小さくなり、0に近づきますが、負の値になることはありません。さらに指数 x の増加に対して真数 y はきわめて急速に増大する関数になります。文章表現の中で、「指数関数的」増加などというのは、この様子を例えたものです。