もちろん対数のコーナーですから、きっと対数を活用すると、簡単に計算できるかもしれない、という例題です。ずいぶん大きな数になりそうですが、このくらいになると電卓でも桁が振り切れてしまってそのまま力技で押してもお手上げかもしれません。
この例を考えるのに、まずはもっと簡単な数で、原理を整理しておきましょう。
さて、この数は何桁でしょうか?見てわかりますね、3桁です。今この数が3桁であることを、対数を用いて確認する方法を考えます。
まず3桁の数であるということはどういうことか。3桁の数であるということは、おおまかにいえば「100よりは大きく、1000よりは小さい」ということです。
この式を常用対数で対数をとります。
つまり、元の数が3桁であるということは、常用対数で対数をとったときに、2から3の間に値が入るということと同じです。それが桁が3桁であるということの「対数的」表現です。
この考え方を踏まえて、最初の例題に戻ります。問題の数を常用対数で対数をとると、
これを対数公式を使って整理し、対数表で値を求めて計算します。
よって、対数のレベルで以下のようになりますので、これを干物を水で戻してやるように元の数、真数に戻してやります。
よって、対数が2と3の間にあるときは3桁でしたから、例題の数の桁数は「32桁」となります。
いかかでしょうか?対数で転がしてやることで、元の数をねじり鉢巻きで計算しなくてもあっさり見当がついてしまった、というところにご注目ください。