前回、指数=対数の値が、今までの「自然数」だけでは、値が切れぎれで取りまわしが自由でないので、それを拡張する、という話をしました。今回からそれをみていきます。まず、
ゼロの指数、
マイナスの指数を、それぞれ以下のように定めます。
これを目にして、「え、2の0乗だって?」「3のマイナス2乗ってなんのことだ」と、まともに引き受けると、頭の中ではてなマークがいっぱい出てチンプンカンプンになりますので、それらの疑問はとりあえず無視して以下のように考えます。
2のX乗を例にします。まず指数の値を適当にとって、
それを1づつ減らしていき、どんな具合になるか、様子を観察します。
上から指数を順々に1づつ減らしていくことによって、
掛ける回数が減っていきますから、累乗の計算値は、
元の数で1回づつ割られて減ずる形になりますね。そして、これをこの規則でそのまま下に続けて降ろしてしまいます。それが以下です。
いかがでしょうか。
指数とその計算結果の動きに整合するように、はじめに示したゼロの指数とマイナスの指数の定義が設定されていることが確認できるでしょうか。
指数の引き算(足し算)は真数の割り算(掛け算)
上の図にはまた、対数を考えるうえで、本質となる重要な性質が現れています。それは、
指数を加減算でスライドさせると、真数(累乗の計算結果)は乗除で遷移するということです(図の両はじをみてください)。これは指数がもともと
掛ける「回数」を指定しているという定義からいって当然といえば当然のことですが、対数にとっては本質的な点で、全体の土台になっているといっていいほどです。この話はあとからもくり返し出てきますので、頭にとめておきましょう。
posted by oto-suu 11/02/01
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対数
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