上二つの場合は、これまで述べてきた内容で理解できます。それぞれ「2を16にする指数」「10を100にする指数」で「4」「2」がその値です。2番目は常用対数でしたね。しかし、下二つはどうでしょうか。意味だけとれば「2を5にする指数」「10を125にする指数」ですが、2の2乗は4で、その次の3乗は8まで飛んでしまいますから、5にはなりません。その下も同様です。
このことは、指数がこれまで知っているような整数(自然数)だけでは、対数の値も飛び飛びにしかとれないことを意味しています。それはすなわち、「名札は書けても実際の値は作れない」ということです。そこで値はなし、ということで折れて引き下がってもかまいませんが、それもまたシャクなので、対数の自由度をもっと広げて、名札をどう書いても対応する値が取れるように、指数=対数の値のとれる範囲を、定義を決めて拡張することを考えます。
「指数をクローズアップして、それ自体をもっと深く研究する」とは、こういうことを指しています。次回からさっそくそれをみていきましょう。