【三角比】鈍角の三角比

前回、実際の図形上の三角比を拡張して定義しなおした三角関数の図で、原点のまわりを回転する半径 r (「動径」といいます)をぐるっと回してY軸の反対側まで持っていきます。すると、角 θ は90°以上の角である鈍角になります。この状態で前回の定義式にそのまま値をもたせたものを、「鈍角の三角比」として定義することにします。

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鈍角の三角比

この定義を基に、実際の値を入れた例で計算してみます。

鈍角の三角比

この際、図にあるように、X軸の値は原点の反対側に移って負の値になりますから、定義式でXがかかわる三角比(この場合 cosine と tangent )はマイナス値になるものが出てきます。

「鈍角の三角比?」「三角比がマイナス?」――かなり違和感がありますね。最初の回で述べたように、三角比の基本は直角三角形の辺の比率ですから、ひとつの角だけで鈍角になってしまうような直角三角形は本来はありえないですし、辺と辺の比が負の値というのもかなりヘンです。

ですが、これが拡張して関数化したということの意義だと理解してください。それは、ちょうど(同じように最初の頃は悩まされた)四則演算におけるマイナスの数みたいなものです。現実の世界の中の数(自然数)にはマイナスの数というのは存在しません。それは頭の中だけの、想像上の存在です。しかし、それを設定することで計算の自由度が大きく拡がります。最終的な結果が自然数の世界に戻ってくる時であっても、途中の過程で足を外にはみ出せるそうした「遊び」の部分を余分に周りに持っておくことはたいへん有用なわけです。

とはいえ、もとの定義の直角三角形という点では、それは鈍角の裏側につっかい棒になる「影の存在」として隠れた、という理解をすることも可能です。ひっくり返って裏側の補角の側に入ったので、ひっくり返ったところ(X値)がマイナスになった、ということです。


<参考にさせていただいた資料>
 三角比の定義(KIT数学ナビゲーション)

posted by oto-suu 10/11/10 | TrackBack(0) | 三角比 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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